住まいと健康は関係ある?

現代の住宅事情が生み出したシックハウス症候群

現代の住宅は気密性がとても高いため、一定の室温を維持しやすく"断熱"という利点があります。しかしそれは同時に、汚染された空気が室内にこもってしまうという難点も持ち合わせています。新築や増改築をした家で、気分が悪くなったり、吐き気や頭痛がする、目がチカチカしたり、クシャミや涙が止まらなくなる・・・

これらはいずれもその「」に問題があるかもしれないのです。質問者さんが、住宅展示場に行くと目がチカチカするとおっしゃっているのも同様かもしれません。

こうした症状はみなさんも一度ならず耳にしたことがある「シックハウス症候群」の特徴的な症状ですが、まさに現代の住宅事情が生み出したと言っても過言ではありません。

 

 

さらに厄介な化学物質過敏症

じつは「シックハウス症候群」は、住宅に由来する様々な健康障害の総称であって、正式な病名ではありません。このシックハウス症候群のような症状が現れても、その家から出るとおさまるようならまだいいのですが、そのまま住み続け化学物質に長時間さらされると、今度は「化学物資過敏症」という病気になってしまうことがあります。

「化学物質過敏症」は、まだ詳しいメカニズムが解明されていませんが、それでも症状としては自律神経系、精神系、気道系、消化器系、眼科系、内耳系、運動器系、循環器系、免疫系などの障害が挙げられます。

症状が重い場合には、身につける衣服や生活用品をうかつに使用できないことや、不眠が起こったりと、日常生活に支障をきたす怖い病気であることに間違いはありません。まして、より影響を受けやすい小さな子供のほうが、幼ければ幼いほど家にいる時間が長いというのは重大です。

 

 

 

シックハウス対策はすべてを解決する?

2003年、国はシックハウス症候群が社会的に大きな問題として認知されたため、シックハウス対策として建築基準法を改正しました。改正後は建材に使用した化学物質の量にそれぞれランクをつけ、表示記号もFに☆マークをつけたわかりやすい表示となりました。

「当社の○○住宅はF☆☆☆☆を使用!」「安心のF☆☆☆☆」といったキャッチコピーを、これから家をもとうとしているみなさんなら、目にしたことがあるかもしれません。

しかし、シックハウス対策法で規制されているのは、何万種類もある化学物質の中で、クロルピリホスとホルムアルデヒドの2種類だけ。質問者さんが、シックハウス対策が施された家は安全なのではとおっしゃっているのは、ある人にとってはその通りかもしれません。

しかし、F☆☆☆☆の建材で建てた家でシックハウスの被害が出て、訴訟になっているケースもあります。すべての人が同じ量の化学物質に、同じ程度の反応を示すわけではないのです。

 

それ以外に
規制されていない化学物質
何万種類も!

 

 

シンプルで大切なこと―「有害なものは使わない」。

みなさんが家で使っている消臭剤や着ている衣類、履いている靴や使っている文房具、化粧品などの日用品だけでなく、化学物質は生活の至る所で使用され、その殆どが"化学物質"としては目で見ることができません。

もし化学物質過敏症になってしまったとしたら、食物や衣服にとどまらず、ペンなどの筆記用具はおろか、絵本のインクにさえ反応してしまう人もいるのです。

現代社会に生きている限り、化学物質と無縁の生活を送ることは不可能に近いでしょう。でも、だからこそ、私たちは出来うる限り有害なものを使わずに家を建てたいと思っています。それは一番にはそこに暮らすお客様の健康を守るためですが、そういう家を増やすことができれば、少しでも環境を良くすることにつながると思うからです。

「体に良くないものは使わない」。こんな当たり前のことに、日本の住宅業界は長い間目をつぶってきました。一刻も早く家づくりの原点に立ち戻るべき時が来ていると、私たちは考えています。

 

 

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